
『無法断罪RPGカローン・サンクションズ』とは
『無法断罪RPG カローン・サンクションズ』(以下『カローン・サンクションズ』)は、少しだけ未来の現代日本を舞台にしたダークヒーローTRPGだ。
金と権力を手にした企業、その陰で暗躍する犯罪者たち。彼らに食い物にされながらも、法では救われない人々がいる。
そんな人々を救うため、法の外側から悪に立ち向かう者たちがいる。それが〈カローン〉だ。
PCたちは、己の信念や義憤に従って弱き者を助ける〈カローン〉となり、法の手が届かない悪に立ち向かっていく。
だが、〈カローン〉もまた法の外側に生きるアウトロー。誰かを救うためとはいえ、その行いが正義として認められるわけではない。それでも、法の手が届かないのなら、自らの手を汚してでも救いの手を差し伸べる。
正義の味方ではない。だが、見過ごすこともできない。
そんな現代の仕事人ともいえるダークヒーローを演じられるのが、『カローン・サンクションズ』の魅力だ。
さらに、その活躍を彩る作り込まれた世界観と、ロールプレイを中心とした演劇的なゲームシステムも本作の大きな特徴となっている。
『カローン・サンクションズ』の世界観
20XX年、大規模なプレートの移動によって断層が生じ、日本各地から大量のレアメタルが出土するようになった。
豊富なレアメタル資源によって、日本は世界でもトップクラスの経済大国へと成長。しかし、その繁栄とともに企業の力も肥大化し、莫大な利益をめぐる企業同士の争いは、次第に表から裏へと場所を移していった。
やがて一部の企業は、金と権力を盾に司法の介入さえ退け、利益のためなら犯罪にも手を染めるようになる。その犠牲となるのは、何の力も持たない市民たちだった。
そんな裏社会には、金さえ積まれればどんな仕事でも請け負うプロフェッショナル、〈アウトサイダー〉が存在する。
そして彼らの中から、己の信念と義憤に従い、弱者のために企業の悪事へ立ち向かう者たちが現れた。
彼らは、ギリシア神話に登場する冥界の河の渡し守になぞらえ、〈カローン〉と呼ばれる。
法も正義も届かない裏社会という地獄で、弱き者を導く渡し守――それが〈カローン〉なのだ。
地獄の渡し守『カローン』
『カローン・サンクションズ』で、PCたちが演じる存在――それが〈カローン〉だ。
そのルーツは、金次第で非合法な仕事にも手を染める、裏社会のプロフェッショナル〈アウトサイダー〉にある。だが、〈カローン〉は金だけでは動かない。
彼らを突き動かすのは、己の信念、義憤、そして捨てきれない正義感。裏社会の理不尽に踏みにじられ、声を上げることさえできない弱者を救うため、彼らは自ら闇へと足を踏み入れる。
物証を盗み、データをハッキングし、必要なら非合法な武器さえ抜く。どれも警察に見つかれば、言い逃れのできない犯罪だ。
それでも、法では救えない者がいるのなら――悪には、悪のやり方でケリをつける。
綺麗な手では救えない命がある。
ならば、汚れることをためらう理由はない。
裏社会という地獄を往き、弱き者を導く渡し守。
それが――〈カローン〉だ。
仮想空間エデン&パンデモニウム
『カローン・サンクションズ』の世界には、世界最大のメタバース〈エデン〉が存在する。現実と仮想が密接に結びつき、誰もが無数のワールドや施設を楽しめる電子の「楽園」だ。――だが、楽園には裏口がある。
限られた者だけがジョインできる裏の世界、〈パンデモニウム〉。そこは〈カローン〉たちが集い、裏社会の情報を交わし、被害者と接触する場所でもある。
この空間を作ったのは、〈エデン〉を運営する月城財閥の令嬢、月城美夜火。企業の脅威にさらされた人々を救うため、彼女はここから〈カローン〉へ依頼を斡旋する。
表社会と裏社会が交わる電子の魔窟――それが〈パンデモニウム〉だ。
カローン・サンクションズの判定
『カローン・サンクションズ』の判定はシンプルだ。【能力値】の数だけd6を振り、[難易度]以上の出目を[成功数]として数える。[必要成功数]以上なら[完全成功]、届かなければ[不完全成功]となる。さらに指定された〔技能〕があれば、その技能レベルまでダイスを振り直せる。
ここで気づいただろうか。
このゲームの判定には、「失敗」がない。
〈カローン〉は裏社会を生き抜いてきたプロだ。仕事を前にして「何もできませんでした」では終わらない。鮮やかに決めるか、多少の傷を残してでもやり遂げるか――違いはそれだけだ。ただし、不完全成功を重ねれば[痕跡]が残る。尻尾を掴まれれば敵の襲撃を招き、最悪の場合はミッションそのものが破綻する。
仕事は必ずやり遂げる。
だが、しくじったツケまでは消えてくれない。
それが〈カローン〉の仕事だ。
感情ワードと感情ロールプレイ
〈カローン〉を突き動かす信念や感情。それを表すのが[感情ワード]だ。
[感情ワード]には[パーソナル][キャラクター][シナリオ]の3種類があり、最大9個まで取得できる。「正義」「友情」「贖罪」「復讐」といったPC自身の動機だけでなく、シナリオ中に出会った被害者の名前や凶器、事件現場などを新たに取得することも可能だ。
そして、取得した言葉を直接、あるいは婉曲的に取り入れて演技するのが[感情ロールプレイ]。これを行うと【EP】を1点獲得できる。
【EP】は、プロとしての絶技《スペシャル》を使用するための重要なリソースだ。
さらに[相談]によって他のPCと[バディ]になれば、片方が[感情ロールプレイ]を行った際、相棒にも【EP】が入る。これらを駆使してなるべく多くの【EP】を稼いでいくことができる。
感情を演じ、EPを稼ぎ、《スペシャル》で仕事を決める。
ロールプレイそのものが、〈カローン〉の切り札へと変わるのだ。
最後に
『カローン・サンクションズ』は、シンプルな判定と感情を力に変えるシステムで、裏社会を駆けるダークヒーローの活躍を楽しめるTRPGである。
法では裁けぬ悪がいる。正義だけでは救えぬ者がいる。そんなときは、プロの流儀でケリをつければいい。
もし、あなたがその手を汚す覚悟を決めたなら――裏社会という地獄へ足を踏み入れてほしい。
さあ、地獄の渡し守〈カローン〉――裁きの時間だ。

