『キズナバレット』の舞台は私たちが暮らす現実とほとんど変わらない世界です。スマートフォンやタブレットなど、電子機器が普及し、インターネットがあれば遠く離れた人と会話ができる時代。
そんな平穏に見える世界ですが、その裏には恐るべき不死の怪物が潜んでいます。
それは“キセキ使い”と呼ばれる存在です。彼らは“福音”ゴスペルというナノマシンに侵蝕された怪物であり、その心に宿る欲望ネガイを満たすため人知を超える力をふるいます。
不死の怪物たる“キセキ使い”を殺すことができるのは、“ハウンド”と“ オーナー” のペア(あるいは“ハウンド”2人+“オーナー”1人のトリオ)のみ。協力してキセキ使いに立ち向かっていくのです。
ハウンドの肉体は高い再生能力を持ち、また老化は起こりません。ですが彼らには“キズナの破壊”による活動限界が存在します。
《キズナ》とは、「その人物が、他者や外界に対して抱いている、強い感情や記憶」をさし、これを代償にすることでリベルは活性化するのです。そのため、力を使えば使うほど、精神に大きな影響を与え、感情や記憶を失っていくのです。
そして戦闘を終えるたびに必ず《キズナ》の破壊が発生します。
そして、《キズナ》の破壊が進むと、消滅や怪物化といった危険も……。
なお、ハウンドとペアリングしているオーナーは、その壊れてしまう《キズナ》の肩代わりをすることができます。行うとオーナーの寿命自体が縮んでしまいますから、共に壊れてゆくか、相棒を看取るかはオーナーの決断次第となります。
システムについて
『キズナバレット』では6面体のダイスを、プレイヤーが3個、GMが10個程度使用します(これは《キズアト》の増加によって数が変わることがあります)。
セッションは[導入フェイズ]、[調査フェイズ]、[最終決戦フェイズ]、[終幕フェイズ]という4 段階に分かれています。
[導入フェイズ]ではバレットたちの日常と事件への介入、[調査フェイズ]では事件に関する情報を集めていきます。
この[調査フェイズ]ではダイスを1個使用し、判定を行います。このダイスロールで5か6があれば調査が成功するという簡単なシステムとなっています。もちろん《キズアト》の能力や、シチュエーションに応じたロールプレイを行う事でダイスの数は増えていきますし、万が一駄目でも「パートナーのヘルプ」によって出目をカバーすることが可能です。
[最終決戦フェイズ]ではアタックPCとサポートPCに分かれることで戦闘中に可能な行動――《戦技》の内容が変わります。《戦技》は戦場を縦横無尽に走り回り、相棒との呼吸を合わせた戦闘を楽しむことができます。そして《キズアト》の力や、《キズナ》の破壊を代償とした強力な「出力超過オーバードーズ」でキセキ使いとの死闘を演出します。
なお、簡易ルールも用意されているので「戦闘は苦手! ロールプレイだけじっくり楽しみたい!」という人も安心です。
最後に[終幕フェイズ]では物語に決着をつけ、《キズナ》の破壊による新たな《キズアト》を抱えることになります。
プレイキャラクターによっては、全ての力を使い切って消滅したり、“リベル”に侵蝕された怪物と化して「ロスト」してしまうかもしれません。
それでもバレットたちは、心にある“ネガイ”のために、戦場に立ち続けるしかないのです。